【衝撃!】理学療法士より介護福祉士の年収中央値の方が高かった

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平均年収.jpの計算による年収中央値。以下のような驚きの数字が目に入りました。

  • 理学療法士:351万円
  • 介護福祉士:383万円

職種による優劣を語りたい訳ではありませんが、一般的に賃金が安いというイメージを持たれる介護士の方が理学療法士の年収を上回る結果を示しているのです。

本記事では、平均年収.jpを参考に理学療法士と介護福祉士の年収について考察します。

この記事では以下のようなことが分かります。

  1. 理学療法士は一部の高年収層に平均年収が引き上げられている
  2. 介護福祉士は低年収層のボリュームによって平均年収が引き下げられている
  3. 理学療法士の年収のバラつきは大きく、介護福祉士の年収のバラつきは小さい
  4. 介護福祉士は賃上げ政策によって年収中央値が高くなっている
  5. 理学療法士は攻めの転職|介護福祉士は守りの転職が重要

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目次

年齢別年収(中央値)で見ると理学療法士より介護福祉士の年収が高い

最大年収が予想される50代。そして、お金が必要になりやすいと予想される30代の年収をみてみると以下のように平均年収.jpでは記載されています。

理学療法士

年齢年収
50代461万円
30代423万円
引用:平均年収.jp 理学療法士の年収や給料について詳しく解説!

介護福祉士

年齢年収
50代521万円
30代462万円
引用:平均年収.jp 介護福祉士の平均年収

上記のように30代、50代どちらも介護福祉士の年収が理学療法士を上回っています。

「理学療法士の年齢層が若いから、全体で年収を見ると低くなる」という理論は通用しないということになってしまいます…。

平均年収は理学療法士の方が高い結果に|理由を解説

理学療法士の平均年収は471万円。介護福祉士の平均年収は330万円とされています。

中央値で比較した時と比べて大きな逆転が起きています。これについてどう考えるべきか?

以下に理由を解説します。

極端な数字が平均値に影響を与えている

以下に簡単にグラフで示してみました。(とても雑な図をご容赦ください)

理学療法士

理学療法士 年収 中央値 平均値

介護福祉士

介護福祉士 年収 中央値 平均値

平均というのは「外れ値」に影響されやすいとされていますので、上記の図のように理学療法士には「高年収の外れ値」が、介護福祉士には「低年収の外れ値」が影響を与えていると予想されます。

介護福祉士の年収は最も低い値で160万円というデータもあるようです。しかし、最高年収も720万円と振り幅はあるみたいですが、どちらかというと「低年収層」のボリュームが平均年収を引き下げてしまっていると考えられます。

さらに、エンゲージなどで求人情報を調べてみると理学療法士の想定年収1000万円超えの求人案件は存在しています。他の転職サイトでも年収800万円以上の求人は探せばいくつも出てきます。

それに対し、介護福祉士の年収800万円超えの高年収求人は見当たりませんでした。

年収のバラつきが大きい理学療法士|年収のバラつきが小さい介護福祉士

都道府県別の平均年収を見てみると、理学療法士と介護福祉士、どちらも最も高い地域は東京都であり、最も低い地域は沖縄県でした。

平均年収.jpによると東京都と沖縄県において、理学療法士の年収差は283万円、介護福祉士の年収差は239万円とされています。

具体的な数字は以下のように示されています。

理学療法士

都道府県平均年収
東京都659万円
沖縄県377万円
引用:平均年収.jp 理学療法士の年収や給料について詳しく解説!

介護福祉士

都道府県平均年収
東京都559万円
沖縄県319万円
引用:平均年収.jp 介護福祉士の平均年収

理学療法士の年収差が大きいことが見て分かります。ただし、上記のデータのみでは心もとないので、indeedの求人検索のデータを調べてみたところ以下のような数字が出ました。

理学療法士

都道府県平均年収
東京都395万7359円
沖縄県319万6385円
参考:indeed

介護福祉士

都道府県平均年収
東京都379万5160円
沖縄県244万1451円
参考:indeed

indeedで求人検索をすると、なんと介護福祉士の年収差の方が大きいというデータが得られました。

しかし、これについては「年収のバラつき」が大きく影響していると予想されます。

理学療法士の年収のバラつき

まずは、東京都の年収のバラつきをみてみましょう。

東京都の理学療法士求人の年収TOP企業(令和4年10月時点)

企業名年収
セントケア・グループ938万9077円
株式会社ベネッセスタイルケア716万6157円
SOMPOケアグループ568万9307円
ソフィアメディ株式会社537万423円
パナソニックエイジフリー株式会社459万7914円
引用:indeed

東京都周辺で理学療法士の上位年収地域のエリア格差

エリア年収
東京都 大田区413万72円
東京都 江戸川区384万1826円
引用:indeed

東京都の理学療法士求人において、年収TOP企業の1位と5位の差は479万1163円上位年収地域のエリア格差は28万8246円でした。

続いて沖縄県の理学療法士の年収のバラつきを見てみましょう。

沖縄県の理学療法士求人の年収TOP企業(令和4年10月時点)

企業名年収
株式会社ベネッセスタイルケア717万8149円
ソフィアメディ株式会社536万3503円
セントケア・グループ460万5426円
パナソニックエイジフリー株式会社460万2125円
引用:indeed

沖縄県周辺で理学療法士の上位年収地域のエリア格差

エリア年収
沖縄県 那覇市358万284円
沖縄県 浦添市297万4904円
引用:indeed

沖縄県の理学療法士求人において、年収TOP企業の1位と4位の差は257万6024円上位年収地域のエリア格差は60万5380円でした。

また、東京都の年収TOP1位の企業と沖縄県の年収TOP4位の差は478万6952円、東京の上位年収地域のTOPと沖縄の上位年収地域の最下位との差は115万5170円でした。

続いて、介護福祉士の求人情報を見てみましょう。

介護福祉士の年収のバラつき

東京都の介護福祉士求人の年収TOP企業(令和4年10月時点)

企業名年収
株式会社アズパートナーズ457万823円
株式会社らいふ453万7884円
株式会社ニチイケアパレス432万6703円
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション404万3835円
株式会社ポピンズ402万1334円
引用:indeed

東京都周辺で介護福祉士の給与が最も高いエリアの中の格差

エリア年収
東京都 品川区399万1293円
東京都 江戸川区341万6863円
引用:indeed

介護福祉士求人の年収TOP企業の1位と5位の差は54万9489円上位年収地域のエリア格差は57万4430円でした。

続いて沖縄県の介護福祉士の年収のバラつきを見てみましょう。

沖縄県の介護福祉士求人の年収TOP企業(令和4年10月時点)

企業名年収
株式会社ニチイケアパレス432万681円
株式会社らいふ396万7177円
株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ376万5808円
ライク株式会社375万3974円
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション368万2403円
引用:indeed

沖縄県周辺で介護福祉士の給与が最も高いエリアの中の格差

エリア年収
沖縄県 沖縄市268万3124円
沖縄県 島尻部 八重瀬町214万8535円
引用:indeed

沖縄県の介護福祉士求人において、年収TOP企業の1位と5位の差は63万8278円上位年収地域のエリア格差は53万4589円でした。

また、東京都の年収TOP1位の企業と沖縄県の年収TOP5位の差は88万420円東京の上位年収地域のTOPと沖縄の上位年収地域の最下位との差は184万2758円でした。

理学療法士の年収はバラつき、介護福祉士の年収はまとまる傾向

本記事で紹介してきたように、理学療法士年収の特徴は、高年収求人はいくつも存在している中、人気の求人などを見ると年収格差が非常に大きいということにあります。理学療法士は一部の高年収層が平均年収を引き上げているため、年収中央値と比較して平均年収が大きくなっていると考えられるのではないでしょうか。

反対に、介護福祉士は低年収層のボリュームが平均年収を引き下げている特徴があると予想されます。人気求人出会っても年収差は小さく、ある程度の給料水準が保たれていることで年収中央値が高めになり、沖縄県の年収で見られるような低年収層のボリュームの大きさが影響して年収中央値より平均年収が低くなっていると予想されるでしょう。

さらに、介護福祉士の給与水準が安定している理由としては日本政府の対応で介護報酬による処遇改善がなされており、一定金額の報酬を得られる仕組みが整っていることが考えられます。

たとえば介護士の処遇改善には以下のような加算が含まれます。

  • 処遇改善加算
  • 特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算

具体的に厚生労働省は以下のようなイメージで介護職の処遇改善を行なっています。

引用:厚生労働省 福祉・介護職員の処遇改善

新加算という部分が介護職等ベースアップ等支援加算です。特定処遇改善の値段については記載されていませんが厚生労働省は「経験・技能のある介護職の給料を月額8万円増もしくは年収440万円に」という基本方針を打ち出しています。

しかし、実際は多くてもベテラン介護職で月額2万円程度、一般介護職は1万円程度に収まることが多いようです。

とは言ってもこれらの処遇改善加算により、介護職の給料はおおよそ月額3.4〜6.6万円はアップする計算になるでしょう。(加算をまったく取らないという事業所を除けば)

介護福祉士の求人の年収の差は小さめに落ち着きやすい中で、処遇改善加算によって一定金額の給与底上げが日本政府によって一律で成されているため、年収中央値が高くなりやすいのでしょう。

理学療法士に関しては、介護職のようなベースアップの政策は打ち出されていません。しかし、エンゲージやindeedなどの求人情報を見る限り、非常に高年収の求人を見つけることができます。

当然ながら、高年収の職場に誰しもが就職できる訳ではありませんが、理学療法士の一部の方はそのような高年収層に所属できるチャンスが比較的多い職種だと捉えることもできるでしょう。

つまり、理学療法士と介護福祉士の年収中央値と平均値において以下のようなことが言えるかと思います。

  • 理学療法士はある程度の年収は保たれているが、一部の高年収層が平均年収を引き上げている
  • 介護福祉士は全国一律で年収アップしているが、一部の低年収層が平均年収を引き下げている

もう少し細かくイメージすると、理学療法士の年収のバラつきは大きく介護福祉士のような処遇改善が無いため、非常に幅広い年収層が存在し、介護福祉士は沖縄県のデータに表れているような一定数の低所得ボリューム層が存在する。

といったような年収分布になるのではないかと予想します。

年収の分布予測から考える理学療法士の年収アップの考え方

本記事の年収の分布予測から、収入をupさせる考え方としては以下のようになります。

  • 理学療法士は高年収を狙った転職を攻めの姿勢で行う方が賃金upしやすい
  • 介護福祉士は極端な低所得求人を避ければ日本政府の賃上げ政策を待つ守りの姿勢でも賃金upできる

それぞれの置かれている状況がまったく違うため、年収upを狙う戦略も変わってくるということになります。

理学療法士は介護福祉士等のように賃上げ政策を待つのではなく、攻めの姿勢で転職を狙った方が賃金upにつながる確率が高いでしょう。

もちろん、働き方に対する考え方はさまざまです。今回の話は年収に着目した考え方と予想を示していますので、それを踏まえた上でご参照ください。

以下参考サイト

※1:エンゲージ

※2:PTOTSTワーカー

※3:RECRUIT DIRECT SCOUT

※4:理学療法士の年収や給料について詳しく解説!

※5:介護福祉士の年収給料や20~65歳の年齢別・役職別・都道府県別年収推移を解説

※6:特定処遇改善加算とはどんな制度?介護職員処遇改善加算との違いや介護職の給料アップの現状を解説!

※7:厚生労働省 福祉・介護職員の処遇改善

※8:indeed

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